うつ病のメカニズム
大人も子どももうつ病が発症するメカニズムは同じです。脳の働きのトラブルによって起こると考えられています。
通常の脳のはたらき
「眠い」「楽しい」「悲しい」「痛い」といった感情や感覚が起こるのは、脳の中にある神経細胞(ニューロン)が情報をやり取りしているからです。
その情報交換をしているのが、神経伝達物質と呼ばれるものです。神経細胞の間をたえず行き来しています。
うつ病時の脳のはたらき
何らかの原因によって神経伝達物質が減少してしまうと、脳内の細胞間で情報の受け渡しがうまくできなくなります。うつ病の発症には、これら神経伝達物質のうち、感情を調整する働きを持つ、セロトニンとノルアドレナリンの減少が関係していると言われています。その結果、感情のコントロールがうまくできなくなってしまいます。
ストレスがうつ病のきっかけになることが多い
子どもは、次のようなストレスとなる出来事がきっかけに、うつ病を発症することが多いです。
- 進学や転向
- 受験
- いじめ
- 両親の離婚
このような環境の急激な変化やトラブルがストレスとなり、うつ病のきっかけになることはよくあります。
環境の変化は子どもがうつ病を発症する可能性を高めますが、子ども自身の受け止め方によってうつ病にならないケースもあります。
他の病気がうつ病のきっかけになることもあります
がんなどの体の病気によるストレスから、うつ病になることもあります。また、自律神経失調症や摂食障害、不安神経症など、心の病気がきっかけにうつ病を発症したり、併発したりすることもあります。
うつ病になりやすい子どもの性格はある?
大人の場合「まじめで几帳面」な性格がうつ病になりやすいといわれています。
そういった「責任感が強い人」「断りが出来ない人」は悩みを抱えがちでストレスをためやすいからです。
子どもも「真面目で頑張り屋」な性格の子がうつ病になりやすいといわれていますが、大人ほどには性格が影響しません。
どちらかというと、
- 育った環境やしつけ
- 乳幼児期の喪失体験
といった実体験がうつ病を発症する誘因となりやすいと考えられています。
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