うつ病の子ども 食欲がない・過食

摂食障害(拒食、過食)の症状

 食欲がない(食べられない)、過食といった症状は命にかかわる怖い病気です。
 食欲の変化はうつ病の症状の1つでもありますが、摂食障害を併発している場合もあります。行き過ぎたダイエットが摂食障害を引き起こすこともあります。
 摂食障害には、食事を極端に制限する拒食症と、無茶に食べ過ぎる過食症があります。また、拒食と過食を繰り返す場合があります。

 

拒食症

  • 体重の減少とともに症状は悪化する
  • 気力や集中力の低下
  • イライラ
  • 疲労感
  • 認知の歪み(マイナス思考、感情的決めつけ)
  • 過剰な運動(さらに痩せたいがための焦り)
  • 体重や成績など、数字へのこだわり

 

過食症

  • (食べ過ぎたことへの)自己嫌悪感
  • イライラ
  • 孤独感
  • 無気力
  • むちゃ食い
  • 自分で誘発する嘔吐(自己誘発性嘔吐)
  • 下剤や利尿剤の乱用

 

摂食障害の原因

 自尊心の低さや大きなストレスと考えられています。
 とくに女の子に多い障害です。体重の急激な変化に伴い、栄養失調や無月経など体への影響も現れ、重症になると臓器機能不全により死亡することもあります。

 

女子に多い「思春期やせ症」

 大きなストレスや「モデルのように細くなりたい」という度が過ぎたダイエット願望から、極端に食事を制限したり、食べたものを吐いたりする摂食障害に陥る「思春期やせ症」が、若い女子に増えています。この病気はうつ病と関連が深いです。過食期にうつ状態が見られます。
 治療には早期発見が重要です。遅れると完治に時間がかかるだけでなく、最悪の場合、死に至る可能性もあります。

摂食障害のある子どもへの対応

 摂食障害のある子どもへの対応のポイントを示します。

 

干渉しない・強要しない

 食生活についてアドバイスすると、かえって反発を招いてしまい、治療が困難になります。適した対応は主治医に相談し、専門的な治療に委ねましょう。

 

子どもの考えを理解する

 食べ物や体重について子どもはどう感じているのか、主治医のアドバイスを受けながら、理解しましょう。

 

治療の必要性を伝える

 これからの人生、元気に自己管理しながら生きていくために、治療が必要であることを子どもに伝えましょう。

 

入院治療も視野に入れる

 自己嘔吐や過食など、異常な食行動は、家族が寝静まったあとなど、隠れて行われることが多いです。通院治療だけでは難しい場合は、入院も考えて、治療に専念させましょう。

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