薬物療法の注意点
薬の効果と副作用を理解する
近年の抗うつ剤は、副作用が弱く、大量服薬時の心毒性(心臓への影響)が少ないものが主流となっています。しかし、子どもの場合は効き目に効果があり、若干の副作用が出ることがあります。
どんな副作用があるのか、主治医から説明を受けて理解しておきましょう。また、薬の作用を知ることで、あらわれた効果や副作用を恐れたりせずにすみます。
薬を怖がりすぎない
主治医から副作用の説明を受けると、怖くなってしまうかもしれません。しかし、薬は十分注意されて、最少量から処方され、効果を見ながら、慎重に増量していきます。子どもの様子をしっかり観察して、適宜、主治医に伝えましょう。そうすれば、副作用が現れても、素早く対処することが可能です。
また、抗うつ薬は、人格を変えてしまうような働きはありません。ご安心を。
不安はあるかもしれませんが、主治医と話し合えば、怖がる必要はありません。
薬物療法には主治医と親子の協力が大切
症状がいつどのように軽減したのか、どんな副作用がいつどう現れたか、薬の効果や副作用の情報は、薬物療法を進めるために重要です。毎日の生活の様子、「笑うようになった」「食欲が出てきた」などの変化を、子どもや親が主治医に伝えるようにしましょう。
薬が効き始めるには時間がかかる
服用した抗うつ剤に効果があるか見極めるには、最低でも4週間から6週間は経過観察する必要があります。
もし、効果が見られない場合は、医師の指示のもと、薬の量を増やすか別の薬に変えたりします。薬物治療で大切なのは、その人にあった薬と量で服用することです。
副作用があれば医師に伝え、自己判断で服用をやめない
薬の飲み始めの1〜2週間は副作用が出やすい時期です。体調の変化に気を使いましょう。様子がおかしいと感じたら主治医に相談です。
服用を続けるか、薬を変えるか、量を減らすかなどは主治医が判断します。
自己判断で服用をやめたり、減らしたりしないで、主治医に相談しましょう。
SSRIの副作用
SSRIは18歳未満の服用に注意が必要とされています。まれに副作用がみられるためです。
眠くなったり、かえって神経質になって眠れなくなったりします。吐き気がしたり、口が渇いたりします。薬が効きすぎて、躁(そう)状態になってしまうこともあります。
服用開始から1週間くらいは特に注意しましょう。経過観察して、副作用や危険な兆候に気づけるようにしましょう。
副作用が出た時は医師に相談しましょう。勝手に服用をやめたり、減量したりしてはいけません。医師の指示にしたがいましょう。医師の指示のもと、服用を終了する場合は、少しずつ減らすことになるでしょう。急にやめると、めまいや不安などの症状(中断症候群)が出ることがあるからです。
家族が行うサポート
- 子どもの服薬は親がしっかり管理しましょう。決められた時間に、決められた量を子どもに渡しましょう。
- 飲み忘れたときの対応を主治医と相談しておきましょう。
- 副作用の予防のために、まめに水分補給をさせましょう。
- 薬の飲み合わせは医師や薬剤師に相談しておきましょう。
子どものうつ病の治療法-薬物療法の注意点関連ページ
- 子どものうつ病の治療法-休養
- 子どものうつ病の治療では、休養が大切です。体だけでなく、心も休養させます。
- 子どものうつ病の治療法-薬の服用
- 子どものうつ病の治療にも薬が処方されます。
- 子どものうつ病の治療法-精神療法とは
- 子どものうつ病の治療で行われる精神療法について説明します。
- 子どものうつ病の治療法-認知療法とは
- 子どものうつ病の治療で行われる精神療法の1種である認知療法を説明します。