うつ病の子どもが起こす暴力や反抗などの問題行動
うつ病の子どもはうつ気分よりもイライラがよく見られます。ここが大人のうつ病との大きな違いです。
イライラのため、うつ病の子どもが暴力を起こしたり、反抗したりすることがあります。
ただし、普通の反抗期とは異なり、うつ病の子どもはイライラを物や親にぶつけたあと、「大変なことをしてしまった」と自分を責め、うつ状態を悪化させてしまいます。
問題行動は男女によって現れ方に違いがあります。
男の子
- 暴力などの非行
- 髪型や服装の乱れ
女の子
- 派手な髪型や服装
- 異性交遊
他にも、動物に対する攻撃、持ち物の破壊、嘘言や窃盗などがあります。こういった非行は行為障害ともいわれています。
また、最近では、飲酒や違法薬物の低年齢化が進んでいます。うつ病の子どもは、これらに依存しやすい傾向があるので、特に注意が必要です。
問題行動を起こす子どもへの対応
うつ病の子どもが起こす暴力や反抗などの問題行動への対処のポイントを示します。
問題行動を起こす子どもは、他人に無関心とされています。さらに、学習障害や認知障害を放っておかれて不満に感じていたりします。学校生活において、挫折と屈辱を感じているとも考えられています。
子どもの話をよく聞き、否定をしない
問題行動を起こす子どもは、自己評価が低かったりします。勝手な言い分や行動・態度はその現れともいえるでしょう。子どもにも伝えたいことがあります。おかしいと思っても否定や肯定はせず、聞くことに注力しましょう。子どもと一緒に考えるというスタンスでいることが大切です。
子どもを受けとめていることを態度で示す
暴力と甘えは表裏一体です。親に甘えたいのに甘えられない葛藤が問題行動となって現れていることもあります。
過度なスキンシップではなく、話を聞く、一緒にゲームをするなど、子どもが安心して甘えられる環境や雰囲気を作ることが大切です。
暴力が慢性化、長期化した場合の対応
暴力が長期化している場合は、素行障害の可能性もあります。慎重な診断と対処が必要です。
対処例を次に示します。
第三者の介入を依頼
家族への暴力が激しい、犯罪にかかわっているなど深刻なケースは、家族だけでの解決は困難です。
主治医はもちろん、児童相談所や警察と相談しましょう。
入院を検討
家族や物を傷つけるなど、行為がエスカレートしたときは、家族と子ども本人の身の安全を優先して、入院を検討します。
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